トラウマによる脳への後遺症
感情の鈍麻性反応 深い心の傷から我が身を守るために、 脳を健忘状態へ導くような 麻薬的脳内物質が脳から分泌されます。 感情の鈍麻性反応を生じ、 その人を守ろうとする脳神経刺激抑制状態を作ります。 脳内モルヒネ(幸せホルモン)の中の <オピオイド>(マラソン選手に苦痛解放のランナー.ハイ をもたらしてくれる、神経伝達物質)が、 ショック・エピソード発生時に感覚全般の感受性低下 という沈痛効果を目的に、大量に分泌されます。 しかしショック・エピソードが経過した後も、 あらゆる感覚(思考の世界までも)を、継続鈍麻させます。 そして、日常生活への復帰をも困難にする程の後遺症状を 持続してしまうケースがあります。 症状として、感じる事、考える事に霧がかかったような、 まるでベールで覆われているかのような、 別世界にいる感覚を訴えます。 このオピオイドに対する受容体感受性は、 男性より女性の方が高いということです。 この、麻薬性の鈍麻性反応は、正常な状態把握をも マヒさせ、継続して生活を困難にする場面を顕現させる。 |
|
幼少期のトラウマが産む、二次性被害。 父性に対する不満、心の傷の累積がある場合、 常に自分の理想の父親像を得るために、 外の世界にそれを求め、男性と関わるようになる。 父親への願望を叶える為に、相手に多くの要求をぶつける。 そして、駄目な場合は、また他の男性を求め続ける。 従って、多くの男性と肉体関係を重ねるケースもある。 未成年の援助交際など、心の傷との関連性や、 潜在意識に隠れた、見えない後遺症の関係をも考慮して、 カウンセリングに導くことが大切です。 |
|
トラウマによる脳への後遺症 精神的外傷を負った人の脳の中では、大きな変化が起きます。 @ 海馬の萎縮(学習や記憶、情動の調整を司る)、前頭前野皮質の血流低下と、 脳の機能不全(意識、思考、感情、推理、想像力、統合性を司る)、脳内神経伝達物質の代謝調節障害 などが報告されている。 A 尿中のカテコールアミンの排泄量の増加。 B トラウマ想起(フラッシュバック)による、心拍数、血圧の異常上昇。 C 血中アドレナリン受容体の減少。セロトニンレベルの減少。 D 脳波ポリグラフや電気生理学の研究から、REM睡眠(深い睡眠サイクル)で、 睡眠の中断や覚醒数の増加が起こる。 この 他にも、多くの生化学的変化があり、「もうダメダー!」という心の反応から、 ミクロレベルの変化が脳内に起きて、パニックアタックなどを引き起こします。 トラウマの原因は、虐待、いじめ、レイプ、愛する存在との死別や別れ、戦争、 犯罪被害、災害、災害救助、事故、大手術、機能不全家庭、離職、停年退職、引越しなど様々ですが、 これらのトラウマは、原因となった事を深く記憶に留めたまま、その傷とも向き合う事ができず、 そして逃げる事も出来ないという、地獄の苦しみにさらされます。 脳はフラッシュバックが起きると、事件が起きた時と全く同じ量の脳内神経伝達物質を出し、 危険察知信号を発信し、その人に知らせ警告します。 これは、人間の原始的な生存能力のひとつでもあります。 無意識部分から信号により、右脳側頭葉が活発化して、言語化出来ない潜在意識から 表面意識に対し記憶の整理を試みる。 その結果、混乱した左脳前頭葉の機能低下を招き、表面意識が機能の低下を招きパニックを起こすのです。 このような潜在意識からの、強いコントロールを逃れる事が出来ないため、 表面意識の混乱記憶整理の試みは、フラッシュバックのたびに、何度も何度も繰り返されます。 その混乱した脳の状態は、麻薬性鈍麻脳の状態であり、脳機能をマヒさせ、悲劇の事件の時と同じ思いを味わおうとする 反応を示す傾向がある。 虐待を受けていた人が、虐待をするような夫や妻を選んでしまう傾向になるのも、ここに関連性のある事です。 または、周囲・家族には絶対こころの奥深くを話せずに、一人で問題を抱え込むなど、 自分を緊張へ追いこむような場面もあります。 潜在脳の世界は、磁石のように現実世界に顕現します。 |
マイナスイメージの経験は、 強くビジュアル化され、 潜在意識に記憶される。 従って、ビジュアル的関連性を持ったトラウマ想起によって、 フラッシュバック症状が現れ、心の安静化を阻まれてしまう。 しかし治療によって、安心感、満足感、期待感、 快感 などが少しずつ出て来ると、 神経終末に抑制性シナプスを形成する 三叉神経脊髄路、脊髄膠様質のエンケファリンニューロン ( 神経 )から、エンケファリン( 伝達物質 )の 放出量が増加します。 この活性化された2つのエンケファリンニューロンが 抑制作用を発揮し、三叉神経感覚神経繊維から 三叉神経性感覚中継ニューロンへの信号伝達、 また体肢の感覚神経繊維から 一層中核中継ニューロンへの信号伝達を抑制し、 生来の調整メカニズム感覚へ近づけます。 心に芽生えた、安心感、期待感が あまり具体的なものではなくても、そのプラスの 刺激エネルギーにより、細胞の波動は、 確実に体の免疫力を高めて行きます。 従って、パニックなど心身で生じた 不快な感覚に対する信号は、少しずつ 大脳皮質へ伝達されにくくなるのです。 PTSDからの回復に、このステップが、 必須であると言えるでしょう。 潜在意識の中に抑圧された、トラウマ体験の 癒しや回復には、Therapyの中で、 五感からの刺激が脳幹に伝えられて、 脳内の生体化学物質の変化を導き出す というポイントが、治療のゴールへ結びつく 重要なステップとなるでしょう。 ゴールのために、その人が自ら心の傷に気づき、 治療に臨むという気力が、何よりも大切なのです。 治療を無視せず、ご自分のために、 専門家を訪ねましょう。 |
強く心を傷つけられるような子供時代を過した人の場合、脳内の快楽ホルモン・レベルが 低い状態になることが多い。 従って、人生の喜び、感情の盛り上がり、人間的感激などを感じられにくい状態、 まるで麻酔がかかったような感覚を生じます。 子供の頃の傷つき体験や、解決していない感情・不安感は、環境の変化のある時にも、急浮上することがあります。 結婚、妊娠、不妊治療、出産、育児、移住、別離、離婚、病気、退職、解雇など、 さまざまな人生の転機に、不安感が急激に強くなったり、心の不安定状態に悩むこともあります。 それは、心に傷を負った子供時代にも重なるストレス状態で、潜在意識からのフラッシュバックとも言え、多くの人が体験します。 そんな時は、一人で我慢せずに、専門家にその状態を話してみるとよいでしょう。 原因を分析したり、セラピーを取り入れていくことで、いろいろな気づきを通して、新しい感じ方を育てていくことができます。 マタニティブルーや育児ブルーも、とても辛いものです。 しかたないとあきらめずに、良い状態を導くためにも、少しへこたれて、誰かに甘えてみるのも良いことです。 緊張した心が、不安感を増長させてしまうので、自律神経を不調にしたり、体調不良になることもあります。 自分の世話をする時間が必要です。 頑張ってしまう人は、自分のがんばっている姿を忘れてしまい、もっと頑張らなければという心の奥(潜在意識パターン)からの 指示に従ってしまいます。 自分を認めるためのワークなど、機会があれば受けてみるのもよいでしょう。 自分を大切にすることで、心が安心し、緊張が取れるのです。 インナーチャイルド・ヒーリングのページへ |