誰でも自我の成長に伴って、 社会生活の中で、自分を守るため、
自分が傷付けられないようにするために、自己を防衛する機能を備えるようになります。
自我防衛機能
種 類 | 機 能 |
同一化 | 自分が望ましいと思える人や組織、制度に自分を同一化させて、自分を守る。 |
取り入れ | 外部の価値観や基準を自分の中に取り入れ、外部からの自分に対する脅威や圧力に翻弄されないようにする。 タレントなどの属性を自分の内に取り入れ、満足感を得ようとする。 |
投影.投射 | 自分の相手に向かう感情や欲求を、他人が自分へ向けていると思う。被害妄想なども、その一種。 |
投影性同一視 | 自己の側面(良い面、悪い面 )を相手に投影し、自分と相手を同一視する。 |
転置 | 困難を人のせいにしたり、非論理的な願望や考え方を、他人に転嫁する。 内側の不安をペットで慰める。弱い者いじめをする。 |
転換 | 不満や葛藤を身体症状に訴える。物や社会活動に置き換えたり、治療者へも訴え求め、向けられる事がある。 不安が高所恐怖症に転換されたりする。 |
合理化 | 口実を言って正当化したり、社会的承認に値する事を証明しようとする。 理屈づけ、詭弁で不安をカバーしようとする。ボランティア活動が、理屈や言い訳に使われるなど。 |
反動形成 | 本心とは全く正反対のウラハラなことを言ったり行って、不安や苦痛を避けようと工夫する。 |
転移 | 特定の人へ向かう感情を、よく似た人へ向ける。代理のように思い込む。 |
取り消し | 非道徳的な願望や行動に対してのつぐない行動、儀式化、執着行動で打ち消す。 |
否認 | 痛ましい場面から感情を根絶したり、不安や苦痛に結びつく現実を認めぬ態度で独立する。 現実を知覚していながら、あるがままの状態の認識を否定する。精神的な問題にも結びつく事がある。 |
隔離.切り離し | 相互に関連し合っている、観念、情動、行動を切り離して、屈辱の体験を感情抜きに語ったりする。 |
補償 | 優れた特性を強調することで、自分の弱点をかくす。 |
白昼夢 | 阻止された願望や考えを、空想による達成感で満たす。 |
情動分離 | 傷つくことから自己を守るために、自分が受動状態にひっこんでしまう。トランス的浪費なども含む。 |
抑圧 | 苦痛な感情や欲求、記憶を意識からしめ出し、無意識の中へ閉じ込める。多重人格、二重人格、心因性健忘。 |
現実拒否 | 知覚を拒否する事によって、不快な自己を守る。愛情遮断、学習遮断など。 |
退行 | 心的機能や態度、行動が以前の発達水準に退いてしまう、逃避(健康的なものと、病的がある)の一種。 |
固着 | 早期の未熟な段階に留まってしまおうとする。成長遮断。 |
自己への反転 | 相手へ向かう感情や欲求を、自己へ向けかえる。自己破壊や神経症、心身症にもなり得る。 |
知性化 | 性欲動や攻撃欲動を知的に観念化 (禁欲主義.愛他主義など)することによって、コントロールしようとする。 宗教の追求、体制批判など、知的知識を観念化する。 |
昇華 | 欲動を直接的に充足させないで、社会的.文化的に容認されるようなものへ置き換えて満たされる。 スポーツ、芸術、美化など。健全な転化。 |